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2019年10月27日
当院の予防への取り組みについて
こんにちは。ほり歯科クリニックです。
本日は、当院の方針について少し書かせて頂きます。
当院では開業時より、「問題のある歯だけの治療」でなく「一口腔単位」で診る診療体制を取ってきました。
歯科は 「症状が出てから治療するために通う」という現状があります。従来の歯科医院のほとんどはこの形態をとってきました。
この絵は元栓を閉めずにいくら床を掃除したところで….という表現がなされていますが、従来の歯科医院で行なわれてきた「治療」は水がダダ漏れの中で拭いている人に過ぎません。水の出ている量に個人差はありますので、全ての人に当てはまるわけではありませんが…
虫歯になった、歯周病になった原因に対処せず、ただ治療を行う。これでは「今」の虫歯と歯周病を治せても、「これから」「再度」虫歯、歯周病になる繰り返しを止めることは出来ません。
「元栓を閉める」にはどうしたらいいのでしょうか。
当院でも予防への意識を高めてはおりますが、まだまだ予防型というには足りず、治療主体の医院である部分は否めません。
そこで当院では6月より4ヶ月、予防型歯科では日本で最も有名な先生の一人、熊谷 崇先生の主催する「オーラルフィジシャン育成セミナー」へ医院全員で参加し、予防型歯科医院への診療システム作りに邁進しています。
オーラルフィジシャンとは「KEEP 28」(生涯で全ての歯を一本も失うことなく生きる事」を実現するため、口腔の二大疾患であるう蝕と歯周病に対し、適切な診査・診断を行い、診療計画を立て、生涯にわたって疾患の発症と再発を予防する人材のことです。この人材とは、歯科医師だけではなく、主に予防管理の専門家として国家資格を持つ「歯科衛生士」の事です。
当院では、一人の歯科衛生士が一人の患者さんに付き、初診からメンテナンスまで、患者さんに寄り添った対応、患者さんの良き理解者になれるように完全担当制としています。
そして予防への取り組みとしては、初診時に①「一口腔単位での診査(う蝕及び歯周病等の現状の把握)」、②「う蝕および歯周病のリスク診断」及びにそれらを踏まえた上での③「今後のう蝕及び歯周病予防のための口腔衛生指導及び口腔ケア」を全ての患者様に対して行なっています。(セミナー参加以前から通院中の患者様にはまだリスク診断およびそれに伴う指導に関しては行なっておりません。順次希望に応じ行える体制をとってく予定です)
また、その上で定期的なメンテナンスを行い、全ての患者様に健康の維持増進に努めて頂けるような環境整備を行なっていきたいと思います。歯科医師、歯科衛生士に出来ることは実は決して多くありません。歯を失わないためには患者さん自身の「努力」が最も必要です。
今後も当院では、痛い、腫れた、取れた等の緊急性のある場合は応急処置を行い、まずは自分が「どうしてこうなったのか?」「今どのくらい水がダダ漏れなのか?」を知り、「どうしたら元栓を閉められるのか」へのご理解と改善を頂いた上で必要な治療を行なっていく方針です。それこそが、今後の治療を少なくする、歯を生涯に渡って失うリスクを減らす最も有効な診療スタイルと信じています。
まだまだ私自身も当院の衛生士も未熟で足りない部分が多々あるためご迷惑をおかけすることもあるかと思いますが、現在通院中の患者様、また通院を検討されている患者様全ての方に当院への診療方針へのご理解、ご協力を何卒お願い申し上げます。
ほり歯科クリニック
堀 聡久