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ブログ 2020年03月15日
根管治療の内容と費用について 連載その①

ほり歯科クリニックの堀です。

先日に続き根管治療について

「根管治療の内容と費用について 連載その2ー①」

日本においては、国民皆保険として全ての人が均一な治療を安く受ける事ができる素晴らしい制度があります。しかし、根管治療においては残念ながらこの制度のため十分な治療がされていないのが現状です。今はネットで多くの情報が入手できますが、少しでも多くに人に知って頂きたくここに書かせて頂きます。

①日本の根管治療の問題点

②日本の根管治療の費用と治療格差 (次回へ。。)

 

①日本の根管治療の問題点

この問題は多くの歯科医師が理解していながら、保険診療における根管治療の費用が制度上不十分で安価なために十分な対応できないのが現状であることをまずご理解頂きたく思います。しかし、そのために失敗が多く、再治療の繰り返しによる歯の喪失が多いのが日本の根管治療の現状です。実は根管治療に限らず、その他の多くの治療についても同様で、治療自体は保証されていても、質は担保されていないため、流れ作業や短時間治療による薄利多売と言ってもいい形態でないと経営が成り立たない側面が現実としてあります。

下記の問題は根管治療においての代表であり、実際には教育から知識、治療の内容など多くの要素を含んでいます。

 

その① 授業では必須と習うはずのラバーダム防湿がされていない事(ラバーダムについて詳細はこちら)

根管治療においては、無菌的な処置による感染の防止が最も大切であるにも関わらず、このラバーダムの費用は保険診療に含まれておりません。ラバーダムを行うだけ、費用は医院の持ち出しとなり、経営を圧迫します。努力義務のような状態となり、元々低い治療費と相まって多くの歯科医院で使用される事が少ないのが現状です。

ラバーダムの使用率については、日本の歯内療法の学会員である歯科医師 (ラバーダムを必ず行う5~60%)(ラバーダムをしない4.4%)、日本の歯内療法の学会員以外の一般の歯科医師(必ず行う14.1%)、アメリカの歯内療法専門医(必ず行う90%)といった学会の調べたデータもあります。

 

その② マイクロスコープ の不使用。

海外、特にアメリカなど専門医制度のある国では根管治療は歯内療法専門医の分野であり、マイクロスコープ は必ず使用しなければなりません。日本でも現在はその有効性が認められ授業でも習います。しかし、ほとんどの歯科医院では使われておりません。理由は明快で、マイクロスコープ は200万〜1000万円程度かかりますが、保険ではこの機械の使用に対する加算等は元々なく、使用してもしなくても治療費用は変わりません。(ない事が前提の費用、ここ数年の保険改定の見直しで一部の歯種においてマイクロスコープ の使用に加算が付く様になってきました。今年の4月よりより用法が拡大されます。)

必要と習っても保険では高額のため簡単に導入ができず、また購入できても治療費での経費の回収が難しいため導入率は全国でも5%〜10%未満程度です。また、使用においては技術の習得が必要で、使いこなす事が難しく、買ったものの埃を被っていると言う話も聞きます。

 

大学でも近年は積極的にエビデンスに基づいた正しい教育がなされ、私が学生の頃と比べ教科書の質も実習の質も高くなり世界の潮流を取り入れた方法に変わってきています。その新しい先生がだんだん増え、保険での加算もされるようになることから、今後導入される医院が増える事が予想されます。この2点が全てではなく他にも大切な事が様々ありますが、きちんと予後を見据えた治療がされるかどうかの判断にラバーダムとマイクロスコープ の有無は大きな要素であり、患者様からわかりやすい判断基準の一つになるかと思います。現在はインターネットで様々な情報が入ります。これを読む皆様には、根管治療の大切さをぜひ知った上で治療を受けて頂きたいと思います。

 

当院ではマイクロスコープ を2台を導入し、歯の治療においては根管治療に限らず、また保険診療を含む全ての治療でより確実な治療ができるよう必ず使用しています。そのため、しっかりとした療時間を確保する必要があり、予約時間制を徹底しております。ご予約が取り難いためご迷惑をおかけすることもありますがご理解、ご協力頂けましたら幸いです。

 

次回は根管治療の内容と費用、「日本と海外の治療格差」について書かせて頂きます。

 

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